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トナカイの憂鬱

とつぜん・・
思い立ったように・・いや・・思い立ったというより・・・自然に
体が動いたといったほうがいいかもしれない。
そんな・・突然に私は、旅をする事に決めた。
駅まで歩く、いつもと同じ道を
ただなんとなく・・荷物も持たずに・・歩いてみた。
その・・ちょっとした行為が・・旅の始まりのような感じになってうれしい。
それだけの・・事なのだけれど・・。
人は、年をとるに連れて「しがらみ」が・・体に巻きついてくる。
当たり前の話なんだけれど・・
それは・・仕事だったり・・家族だったり・・置かれた環境が複雑になるにつれ
どんどん・・体が重くなっていって・・
身動きがとれなくなってしまう。
だから・・旅をしようと思った時・・ただ・・単に身軽になる為の
逃避行に過ぎないことは・・解っていた。
でも・・歩きなれた駅までの道さえも、こうしてある・・一つの意思をもってみれば
なんとなく・・ただ・・なんとなくではあるけれど
楽しく感じる事が出来るのは・・それは・・それでいいように思えてきた。
これは・・逃避行であり・・でも・・一つの旅なのだと・・。
なんの意味もないかもしれない。でも・・
それが・・意思のように・・思う。
大切な仕事を終えて・・移動し始めた「トナカイ」のように・・

・・・・・6時54分の各駅停車に乗り込む。
そう・・いつも乗る通勤列車。違うのは・・義務として降りる駅が無いということ。
売店で買ってきたカップ酒の蓋を開けて、一口。普通では出来ない・・小さな行為が
   私の心に何かを問いかけ始めた。
多くの駅を通り過ぎ・・そう・・とっくに見慣れた景色を地の果てに追いやった頃・・
 気づいた車窓に映し出される私は、なんとなく・・生き生きとした風だった。
ところどころに・・雪を残す場所から離れ・・漫然としたグレーのビルが乱立する
景色までたどり着いた時・・本線から外れる路線に乗り換えることを思い立った
私は、偶然の疎通とも言うべき思い立ちとともに・・いままで乗って来た列車を降りて
いつのまにか・・駅の地下道をくぐりぬけ・・・あたかも、知っている装いを自分に施しながら
  内地に向かう路線に乗り換えていた。
本線の車両とは、とんでもなく違いすぎる車内と、レールが通る畑の中と・・
風邪のにおいに翻弄されながら・・
時間だけが・・過ぎていく。丁度12時。次の列車の時間も気にせず降り立った駅の
立ち食い蕎麦屋で、掛け蕎麦を食べたあと・・案の上・・売店で手にしたカップ酒を
コートのポケットに押し込んで
ついに歩きだす。
どこに通じる道かもわからないけど、
まあ・・それは・・それとして、気にせず・・
すれ違う人も居ない地方の街を
興味なさそうに・・歩いてゆく。
少しづつ・何かが壊れ・・何かが・・芽生え始め
そして・・・暑い膜がはがれていくような錯覚に陥りながら
ひたすら・・歩く。
そんな旅。
いつのまにか・・
口笛を吹きながら自分が
そこに居る現実・
by baberonia | 2005-03-12 01:12
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